帯電防止作業服とは、静電気を防止するために使用されている作業着のことです。主に、静電気対策が必要な職場で広く活用されています。
本記事では、帯電防止作業着の基準を定める「JIS-T8118」の概要や、具体的にどのような職場で使用されているかについて解説します。また、作業着を選ぶ際に役立つポイントも紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
帯電防止作業着とは?
帯電防止作業着とは、作業環境で発生する静電気を防止するため、特別に設計された作業着のことです。静電気は、電子機器の誤動作や火災、爆発の重大なリスクを引き起こす可能性があります。
そのため、帯電防止作業着は、安全性が求められる現場で使用されています。特に厳しい基準を満たしており、静電気防止において信頼性の高い製品とされているのは、「JIS T8118規格」に適合した作業着です。この規格は、適切な製品を選ぶための指標となります。
JIS T8118の規格とは
JIS T8118は、静電気の帯電を防ぐ能力を評価するための基準です。この規格に適合するには、以下の条件を満たす必要があります。
・導電性繊維が生地に含まれている- ・金属装飾が表面に出ていない
- ・裏地の面積は表面積の20%以内
- ・1着あたりの帯電電荷量が0.6μC以下
以下で、詳しい内容を見てみましょう。
導電性繊維が入っている生地
JIS T8118規格に適合した帯電防止作業着には、静電気を効率的に逃がす役割がある「導電性繊維」が使用されています。この繊維には、導電性の良い金属やカーボンブラックを繊維に混ぜたもの、金属を繊維化した金属繊維などが含まれます。
この繊維は、生地全体に均等に織り込まれており、衣服に静電気が溜まるのを防ぐことが可能です。よって、着用することで、体に静電気が蓄積されるリスクを最小限に抑えられます。
金属装飾が表面に出ていない
JIS T8118規格に適合した帯電防止作業着は、金属装飾が表面に露出しないように作られています。露出した金属部品は静電気を引き起こす可能性があり、作業環境にリスクを与えるためです。そのため、ボタンやジッパーなどの金属部分は、生地で覆われるなどの隠れるデザインが求められます。
裏地の面積は表面積の20%以内
JIS T8118規格に適合した帯電防止作業着の設計においては、裏地の面積が表面積の20%以内でなければなりません。裏地が多すぎると、静電気を帯電しやすくなるため、この制限が設けられています。
帯電電荷量が1着あたり0.6μC以下
JIS T8118規格に適合する基準は、1着あたりの帯電電荷量が0.6μC以下です。「帯電電荷量」とは、物体や材料が蓄える電荷(静電気)の量を表す物理量のことです。この値が大きいほど、物体が静電気を溜めこみやすくなります。
「帯電電荷量が0.6μC以下」という基準は、作業着が静電気をほとんど蓄えないように設計されているということです。
帯電防止作業着を着用する理由
帯電防止作業着は、静電気が原因で発生するトラブルを防ぐために欠かせない衣服です。着用が推奨される主な理由は、以下のとおりです。
・電子機器の故障を防ぐため- ・火事や爆発を防ぐため
以下で、具体的なシーンを紹介します。
電子機器の故障を防ぐため
静電気は、電子機器に深刻なダメージを与える原因となります。特に、精密機器や電子部品を扱う職場では、静電気の発生は厳禁です。データ損失や部品の不具合を引き起こし、製品の品質低下や生産ラインの停止につながることもあるからです。
帯電防止作業着は、静電気の発生を抑える効果があり、電子機器や製品を静電気から保護します。
火事や爆発を防ぐため
静電気は、状況によって火災や爆発の引き金となる可能性があります。特に化学工場やガソリンスタンドなどでは、静電気が引火源となるリスクは高いです。例えば、可燃性の液体やガスが充満した場所で静電気が発生すると、火花が引火し、大規模な事故につながる恐れがあるのです。
作業員自身の安全だけでなく、職場全体の安全性を確保するためにも、帯電防止作業着は欠かせないアイテムと言えるでしょう。
帯電防止作業着を必要とする主な職場
帯電防止作業着を着用することで、静電気による事故や製品トラブルを防ぎやすくなります。主に、以下のような職場で必要とされることが多いです。
・電子部品製造会社- ・化学工場
- ・ガソリンスタンド
- ・電力会社
- ・印刷会社
以下で、詳しく解説します。
電子部品製造工場
電子部品製造工場では、静電気の発生が、製品に悪影響を及ぼすこともあります。静電気が発生すると、基板や部品に損傷を与える恐れがあり、製品不良の原因となる可能性もあるのです。
帯電防止作業着の着用により、静電気を拡散することで、製品の品質を守ります。また、同時に作業環境の安全性を高められる効果も期待できます。
化学工場
化学工場では、静電気が火災や爆発を引き起こすリスクとなります。特に、可燃性の薬品やガスを取り扱う現場では、静電気による火花が大事故につながる可能性もあるのです。
帯電防止作業着を着用することで、静電気を抑制し、大きな事故を未然に防ぐことができます。このように、帯電防止作業着は作業員の命を守るための欠かせないアイテムと言えます。
ガソリンスタンド
ガソリンスタンドでは、燃料を取り扱うため、静電気は非常に危険です。静電気による火花が、燃料に引火するリスクがあるため、作業員の安全を守る対策が求められます。帯電防止作業着を着用することで静電気を抑えられ、火災の危険性を下げられます。
電力会社
電力会社の作業現場でも、静電気対策は必須です。高圧電流が流れる設備の周辺では、静電気が感電事故を誘発する可能性があります。
帯電防止作業着は、作業員の安全性を確保するだけでなく、静電気による機器の誤作動を防ぎます。結果として、電力供給の安定を保つうえで重要な役割を果たしているのです。
印刷会社
静電気は、紙詰まりやインクの不均一な付着など、印刷会社の作業効率を妨げる要因となります。そのため、静電気を抑える帯電防止作業着を着用することで、安心かつスムーズな印刷作業ができるようになり、製品の品質維持につながります。また、静電気による火災リスクを防ぐという観点からも、帯電防止作業着は印刷業務において欠かせない存在と言えます。
帯電防止作業服の選び方
帯電防止作業服は、作業環境に適した性能を持つ製品を選びましょう。また、快適性も考慮する必要があります。作業服は長時間着用することが多いため、通気性や動きやすさに優れたデザインの製品を選ぶと良いでしょう。
なお、季節に合わせた素材選びも重要です。例えば、夏場には吸汗性や速乾性の高い素材、冬場には保温性のある素材を選ぶことで、作業効率を向上させられます。適切な作業服を選ぶことは、安全で快適な作業環境の構築にもつながります。
帯電防止作業服は、作業服販売店や作業着専門のネット通販などで購入可能です。
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